2017年2月13日 更新

「わんこそば」は心からのおもてなし料理だった!?岩手名物の小話

「はい、じゃんじゃん!」の元気な声とおそばをすする音。わんこそばと聞けば、誰もがこんな風景をイメージするのではないでしょうか。わんこそば以外で、あんな食べ方をするものもないですよね。でも、どうしてあのような食べ方が生まれたのでしょうか?

わんこそばの起源は花巻?それとも盛岡?

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わんこそばの起源は、花巻説と盛岡説の2通りあります。花巻説は、慶長時代まで遡ります。当時の当主「南部利直」が江戸へ向かう際、花巻城に立ち寄って食事を所望しました。「殿様に出す料理を庶民と同じ器で出すのは失礼だ」と思い、漆器のお椀に一口分のお蕎麦を出しました。すると「これはうまい!」と何度もお代わりをしたのが起源になり、わんこそばという形で定着したという説です。

盛岡説は、お祭りや田植えなど、一度に大勢の人が集まるときに振舞われていた「蕎麦ふるまい」を起源とする説です。当時、お鍋で一度にたくさんのお蕎麦を茹でるのは難しかったため、全ての人にいきわたる前に麺が伸びてしまいます。そのため、通常の分量より少ない蕎麦を小分けにして、次から次へとお蕎麦を茹でながら出していったのです。

どちらにせよ、「おもてなしの心」が起源のようですね。

地方によって違う食べ方と「かけ声」

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花巻説はお殿様におもてなしをしたことが起源になっているので、実は花巻で食べるわんこそばには給仕さんのかけ声がありません。対して、盛岡では「はい、じゃんじゃん!」や、「はい、どんどん!」などの景気の良いかけ声があります。お店によって異なりますが、7杯目か15杯目になると、「ざるそば一杯分」というかけ声がかかることも。花巻も盛岡も、給仕さんがお椀にどんどんお蕎麦を入れてくれますが、平泉ではちょっと違います。

平泉で出されるわんこそばには給仕さんは付きません。そのかわり、お盆にずらりと並べられたお椀の蕎麦を、自分のペースで食べることができるのです。これを、「出し盛り式」と呼んでいます。地域によって雰囲気の違うわんこそば、それぞれ楽しみ方が違うので、どれも体験してみたいですね!

わんこそばの食べ方、楽しみ方のコツ

Hariraya/Shutterstock (32718)

お椀の蓋を開けた瞬間から、わんこそばはスタートします!お椀に入った一口サイズの蕎麦にはちゃんと薬味も付いているので、それぞれ楽しみながら食べましょう。本来のわんこそばは、スピードや量を競い合う食べ物ではないので、自分のペースで食べていいのです。

なめこおろし、まぐろ、青シソ、季節の薬味などと合わせながら味わって食べるのが、わんこそばを楽しむコツです。中には、薬味が人気のお店もあるほど!普通の味に飽きたら薬味を食べるのがツウの食べ方。

そばつゆは飲まず、捨てながら食べます。焦らずゆっくり食べましょう♪
実は、盛岡説にはもう一つの説があります。それは、時の首相であった原敬が帰省した時、大好物のお蕎麦を食べて「蕎麦はわんこ(椀コ)に限る!」と言ったことから広まったのではないかという説です。

どちらも客人をおもてなしするための蕎麦ふるまいがルーツ。おもてなしの心が、一つのお椀に込められているのかもしれませんね。


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ビデリシャス・ジュニアライター ビデリシャス・ジュニアライター