2016年12月28日 更新

「ぼら」は縁起がいい出世魚!知る人ぞ知る、「寒ぼら」の美味しさって?

「ぼら」と聞いても、どんな魚なのか、あんまりピンとこない人も多いと思います。でも、実は日本人にとって、とても身近な魚でもあります。実は美味しい「寒ぼら」、卵巣を乾燥させた「からすみ」。そして、良く耳にする言葉の語源でもあるんです。

実は出世魚!ぼらの成長に関する日本語の語源

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お祝いの席では縁起が良いとされている出世魚として、「ぶり」や「すずき」は有名ですが、実はぼらも出世魚。関東では、小さい魚を「オボコ」とし、「イナッコ」「スバシリ」「イナ」、そして「ボラ」から「トド」へと変化していきます。関西や高知、東北ではまた違う呼び方をしていますが、関東と関西は一番大きな魚を「トド」としています。

この「トド」は、「トドのつまり」という言葉の語源。これ以上は成長しない、この先はない、という意味合いからきているんですね。「オボコ」も幼い子供や可愛いという意味で「おぼこい」と言ったり、「イナ」も「イナセ」という言葉の語源になっています。

昔、「ちょんまげ」にする時に、マゲの形を粋に跳ね上げた様子を、イナの背びれに例えて「イナセだね!」と言ったという説もあります。つまり、「イナセ=粋」と言う意味なんですね。

ぼらは泥臭い?本当は美味しい「寒ぼら」

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ぼらは幅広い海域で生息しており、釣りをする人にとっては「外道魚」とも言われているんです。つまり、本命の魚ではないのに良く釣れてしまう魚のこと。色んな場所に生息している雑食性の魚です。そのため、住んでいる海域の餌となりそうなものはなんでも食べてしまいます。ヘドロや微生物の死骸なども食べてしまうので、汚れた海、河口域、都会に近い海域で釣れるぼらは泥臭くて食べられません。

美味しいぼらを食べたいなら、水揚げされる海域が綺麗な海であることは絶対条件。しかも、寒い季節に獲れるぼらは身が引き締まっていて脂ものっているんです。順調に物事が進むことを意味する冬の出世魚、お正月にもぴったりですね。

A級グルメの「からすみ」とB級グルメの「イナまん」

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高級グルメをA級とするなら、ぼらの卵巣を加工してつくった「からすみ」はまさにA級!ぼらの食べ方にはいろいろありますが、中でもユニークなのが愛知県の郷土料理の一つ「イナまん」です。パッと見は魚をまるごと一匹焼いてある焼き魚なのですが、背骨を取り除いた中に、お味噌やぎんなん、椎茸、麻の実などを混ぜ合わせたものを棒でしっかり詰めてから焼き上げたもの。なんと120年も前から旅人へのおもてなし料理として存在していたのです!

今では、ぼらは出世魚であることから、お祝いの席で出される郷土料理へと変化を遂げました。しかし、今ではほとんどの家庭で作られることがなくなってしまい、多くはお店で食べるしかないようです。旅行へ行ったら是非食べてみたいですね!
ぼらはスーパーでもあまり見かけない魚なので、あまり馴染みはありませんが、知っていて損はないことばかりですね。このお正月、いつもとは違う一品を考えているならご家庭でイナまんを作ってみるのもアリ!イナセなお正月を過ごしてみませんか?

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