2015年7月23日 更新

だし汁でするするとどうぞ。江戸時代から食べられていた、チキンライス

江戸時代でも獣肉食が行われていましたが、政策、宗教的な理由から長い歴史の中で用いられなくなったせいか、忌避する人が多かったようです。そんな中で摂られていた動物性たんぱくの主なものは、魚と鳥肉でした。

兎肉、鶏肉は江戸時代でも人気

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特に江戸市中では、自分で捕ったり買ってきた肉を自分で調理するのが難しかったこともあり、余計に獣肉を避けることになっていきました。江戸市内に料理を食べさせる店が増えたのがきっかけで、ももんじ屋のように、獣肉を調理して食べさせる店も徐々に多くなっていき、肉を口にしたい人が行くようになりました。

当時これらの肉食は、もっぱら養生、栄養をつけると言う意味合いを持ち、日々のおかずとして用いられるほど頻度は高くなかったと思われます。そんな肉ですが、例外的によく食べられていたのが、鳥肉と兎です。

高級な鳥が鶴、その次に鴨?江戸後期まで食べられなかった鶏

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江戸時代に刊行された料理本を見ても、鶴、雁、鴨、鷭(ばん)、鴫(しぎ)、鳩などなど多くの鳥肉を取り上げています。中でも一番美味とされたのが鶴で、将軍や天皇に献上された程でした。また料理本での鶴の紹介も、ほとんどが本膳料理、会席料理と言った特別な機会で供されるための調理がほとんどです。鶴は高級品の扱いで、庶民の口にはなかなか入りませんでした。

その次に珍重されたのが鴨で、一般庶民も良く食べていたようです。面白いのは、鴨肉といいながら実は雁の肉の場合が多かったようで、雁は代用肉だったのかもしれません。

今と大きく違うのは、江戸初期では鶏が食べられていなかったことです。鶏を食べるようになったのは江戸の後期からです。野鳥が乱獲により少なくなり、次第に養鶏が行われるようになったのと、長崎から伝わってきた南蛮料理で鶏が使われるようになってから、料理書にも登場してきたためです。

鳥だけでなく、鶏を使った料理にはいろいろありますが、中でも面白いと思うのは『鶏飯』です。けいはん、にわとりめし、とも読みます。

作り方にもいろいろありますが、鶏を丸のまま煮て、身を細かく裂いておきます。また煮汁でご飯を炊き、炊けたところで裂いた鶏肉をご飯の上に置き、よく蒸らし、出来上がったところで混ぜて、だし汁、刻みネギ、一味唐辛子、陳皮などの薬味を添えて供します。

上記の作り方を見ると、ご存じの方も多い、海南鶏飯(シンガポールチキンライス)とよく似た料理です。

鶏飯のつくりかた

今回は鶏飯を再現してみました。(多少現代風にアレンジが入っています)


<材料>
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・鶏肉…… 500g位(今回は胸肉ともも肉を一枚ずつ使いました)
・長ネギ…… 一本(青い部分を鶏肉を茹でるのに使い、白い部分は白髪ねぎに使います)
・生姜…… 大ひとかけらくらい(半分くらい、鶏肉を茹でるのに使い、半分は針生姜に使います)

・米…… 2合半~3合
・大根おろし…… 適量
・大葉…… 適量
・海苔…… 適量
・だし汁…… 適量


<下準備>
・長ネギの青い部分は、よく洗って土を落とす。白い部分は、白髪ねぎにする。
・生姜の半量を適当な大きさに切る。もう半量は針生姜に刻む。
・大葉は細切り。
・大根をおろしておく。
・すまし汁よりも少し塩気の強いだし汁を作っておく。


<作り方>
1)鍋に鶏肉、長ネギの青い部分、生姜の半量を入れ、たっぷりの水と酒(分量外。適量)を入れ、火にかける。沸騰したら弱火にして、アクを取って30分ほど茹でる。茹ったら、茹で汁ごと冷ます。
筆者 (9810)

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2)米を研いで、1)の茹で汁で通常通りに水加減して米を焚く。(茹でたねぎ、生姜、上に浮いた油を取り除く)
3)茹でた鳥の皮を取り除き、身を細かくほぐしておく。
4)米が炊き上がったら、真ん中を少し掘って3)でほぐした鶏肉を入れ、蒸す。蒸し終わったらご飯と鶏肉をよく混ぜる。
筆者 (9814)

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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部