2015年8月4日 更新

西洋から伝わり日本で発展したカルメ焼き

 お祭り等の屋台でよく見かけるカルメ焼き。これは元々西洋から伝わってきたお菓子が日本で独自の発展を遂げたお菓子でした

日本へ伝わってきたカルメラ

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 カルメ焼きは、伝わってきた当初は「カルメラ」という名前で日本に受け入れられました。カルメラはカステラ、金平糖等とともに伝わってきた南蛮菓子の一つです。ポルトガル語で焼き砂糖や飴を意味するカルメロ(caramelo)から名付けられました。

 カルメラは砂糖を水で煮詰め、卵の白身等を入れて泡立てたもので、冷えて固まると軽石のように表面に気泡の泡があいた姿になります。そこから浮石糖、泡糖などと呼ばれました。この姿から工芸菓子で石等の見立てに使われたり、細かく砕いて雪や花を表すのに使われたりするそうです。

 カルメラは『古今名物御前菓子秘伝抄』(享保三年、1718年)に「かるめいら」の名前で作り方が載っています。そのほかにも『黒白精味集』(延享三年、1746年)では「かるめろ」、『餅菓子即席手製集』(文化十年、1813年)では「かるめろう」の名前で記載されています。いずれも砂糖を水と一緒によく煮詰め、卵の白身を入れてよく泡立てて冷やし、いろいろに切るとあります。『倭漢三才図会』(文政7年、1824年)には「浮石糖」と書いてかるめいらと振り仮名を振り、他の同様の製法でありながら、細長く伸ばして筋をつけると書いてあります。

 興味深いのは、『魚類精進 早見献立帳』(天保五年、1834年)に「かるめらどうふ」と言う献立があることです。これは豆腐とついているように豆腐料理なのですが、ごま油で揚げた豆腐の表面の上がった部分を取り去り、薄醤油で味をつけたものです。これがどうしてかるめらの名がついたのか判りませんが、白いところが似ていたのでしょうか?それほどにカルメラは一般に知れ渡っていた、ということかもしれません。

一般に広まったカルメ焼き

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 一方で、カルメラは庶民的な菓子としても浸透していきます。それがカルメ焼きで現在でも屋台等で売られているのを見ます。こちらは赤ザラメに重曹を入れて火に掛け、膨らませるもので、こちらは明治以降に広まったものだそうです。

 屋台の前で見ていると、溶けて煮立ったザラメに重曹を入れてかき廻していくとふわりと膨らむので、とても簡単にできるような気がするのですが、実際にやってみると膨らまなかったり、すぐにしぼんでしまったりと意外と難しいそうです。昔は屋台でしか見かけませんでしたが、最近ではお菓子屋さんがカルメ焼きを売っていたり、実験として使われたりとしているようです。逆に現在では浮石糖と呼ばれた方は探してもほとんど見つかりません。カルメラの方が作り方は難しいことや、明治以降に砂糖が庶民へも広く普及したため、手間のかからない方が好まれていったのかも知れません。

 カルメロと言う言葉は砂糖と水を煮詰めることから、プリン等に使われるカラメルやキャラメルなども、元はカルメロに含まれていたのではないでしょうか。

(rauya)


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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部