2016年3月15日 更新

そろそろワインをはじめてみませんか? vol.19

みなさんはソムリエの仕事って、ワインの給仕だけだと思われていませんか?ソムリエはワインだけでなく、水、日本酒など飲料全般の提供や管理などを行います。 店舗によって一部の飲料しか揃えていない等ありますが、全ての飲料に対してアドバイス出来るように知識を蓄える必要のある仕事なのです。パリのミシュラン星付きレストラン等では、日本酒を見掛けるようになりました。 ソムリエ達の日本酒への関心は高く、その知識もとても高く兼ね備えています。 フランス料理に日本酒を巧みに合わせてくれ、驚きと感激を与えてくれます。食の都パリで日本酒が認められていることは嬉しいことですね♪今日はフランスで頑張っている日本酒について、ちょっと触れてみたいと思います。

パリっ子はSAKEがお嫌い?!

Nishihama/Shutterstock.com (17981)

via Nishihama/Shutterstock.com
パリでSAKEは好きですか?と質問して、「アルコールが強過ぎて嫌い‼」という答えに驚きました。
日本酒はワインよりアルコール度数は高いけれど、そんなに嫌われる程アルコール高かったかしら?!と不思議に思いました。実はパリでSAKEと言ったら日本酒ではなく、中華料理店で出てくるアルコール度数が高いお酒を指すのだそうです!!
Baijiu (白酒) shot by logatfer (17983)

via Baijiu (白酒) shot by logatfer
中国料理店では、中国の白酒(バイジィウ)をSAKEという名前で、食後にサービスで出しているのだそうです。
アルコール度数が50度を超えるお酒です。これではアルコールが強すぎてと言われてしまいますね。
中国語の酒の発音は「ジヨオウ」といった感じなのに、なぜ中華料理店で出す中国酒をSAKEと言って出すのか分からないのだそうです。

SAKEと言えばそのアルコール度数の強い酒だと思われていますから、日本酒はSAKEという言葉を使うのを止めました。
SAKEという言葉を使わないでどうするのですか?と質問し、「Daiginjyo」「Ginjyo」「Junmai」と言って紹介しているんですよ!!と教えてもらいました。
Joy of Sake by Bytemarks (17985)

via Joy of Sake by Bytemarks
間違ったSAKEの認識を変えるより、新しく認知してもらうことを選んだのですね♪
世界で展開する為には、こういった柔軟な考え方が必要なんですね!!

日本を飛び出した日本酒

七賢 取材 by Norio.NAKAYAMA (17988)

縮小していく国内での日本酒需要をから脱却すべく、蔵元は海外へと販路を模索します。
海外に進出するに辺り、徹底した調査を行いマーケット戦略を断行していきます。
via 七賢 取材 by Norio.NAKAYAMA
Sake! by TadDonaghe (17989)

via Sake! by TadDonaghe
海外市場で好まれる飲み方(日本のように御猪口で飲むのか、ワイングラスやグラッパグラスで飲むのか等)香り、味などをしっかり見据え、酒造りを行っていきます。

こういったことは日本人が得意そうに思うのですが、日本酒造りの裏側には古い慣習や伝統などがあり、そう簡単なことではないのだそうです。
海外進出の為にパリで調査をしていた方が、「海外で受け入れられるものを造るには、まず杜氏さん達に考え方を変えてもらう必要があるのです」と仰っていました。
獺祭23 by othree (17991)

via 獺祭23 by othree
海外で最も成功している日本酒は「獺祭(だっさい)」ではないでしょうか?!
時の内閣総理大臣が訪米の際、アメリカ大統領に獺祭をおみやげに用意したと話題になりました。
獺祭は山口の小さな蔵元「旭酒造」で造られる日本酒です。
旭酒造は酒造りだけでなくレストラン経営やビール製造等を手掛けましたが、あっと言う間に経営危機を迎えてしまいました。
そんな背景から生じた様々な問題に立ち向かい、大吟醸だけを造り、杜氏の撤廃などの改革を行っています。
旭酒造は大吟醸だけを造ると決め、それに伴う改革をしていく流れの中、最終的には杜氏撤廃に至ります。
海外進出にはそれが功を成したと言えるのかもしれません。
杜氏達が悪いというわけではありませんよ!!
売れるお酒を造ることと、自分の造りたいお酒を造ること、両者には大きな隔たりがあるのですね。

杜氏の経験や勘が頼りだった酒造りを変えたのが旭酒造です。
実は杜氏のいない蔵元もあるのです。
杜氏はもともと酒造りのプロ集団で、蔵元に出稼ぎに行くのです。杜氏の後継者不足や高齢化といった問題はとても深刻なものです。

杜氏撤廃には賛否があったでしょうが、日本酒造りの世界で生き残ることが最も重要なことです。
現在では杜氏を自社雇用し、人材の育成に力を入れる蔵元が出てきています。
また一方で旭酒造のように杜氏制度の撤廃し、社員全員で酒造りを行う蔵元も出てきています。

ブルゴーニュだってボージョレ救済の為に、ブルゴーニュでは考えられないアペラシオン(コトー・ブルギニョン)を誕生させたのですから!!
発想の転換はどんなことにも必要なのかもしれません。

コトー・ブルギニョンというアペラシオンを誕生させていいのか?!と思う気持ちはありましたが、斬新な改革に賛否は付き物ですものね。
信念を持って断行し成功したのなら、それは正解なのだと思います。
需要が復活さえすれば、伝統回帰という流れが起きるのかもしれないのですから。

日本酒蔵元の挑戦

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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部