2015年9月8日 更新

毎年賑わいを見せるべったら市!もともとは商売繁盛を願うお祭り

べったら漬けは浅漬けに分類される漬物です。浅漬けは保存が目的の漬物とは違って、つけておく日数が一晩から長くても三ヶ月未満と短時間で作られるものです。えびす講の前夜に行われるべったら市。浅漬けの大根べったら漬がよく売れたことから『べったら市』と名付けられたそうですよ。

浅漬けの一種である、大根の漬物

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京阪では塩だけで漬けたものを「くき」と言い、それを売る店を「茎屋」といいました。また、塩と糠だけでつけたものを浅漬け、干したものを塩と糠でつけたものを「こうこう」と呼んでいたといいます。
江戸では「くき」を漬物と呼び、店のことも「漬物屋」と呼びましたが、浅漬けは京阪と同じで浅漬けと呼んだそうです。
塩と糀だけで漬けたものも浅漬けと呼んだのは、製法が似ているせいでしょうか。この糀でつけた甘い浅漬けは江戸っ子の好みに合ったようで、料理本の浅漬けでは糠と並んで糀が材料にあがっています。

えびす講の前夜に催される腐れ市

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えびす講の前夜である10月19日に、日本橋にべったら市が立ちます。
10月20日のえびす講は、商家、商いをする人たちにとって大事な行事のひとつです。七福神内のえびすは、漁業の神ですが、特に東日本ではそれに加えて農業、商業、五穀豊穣なども願う傾向があるそうです。また、講は地域の人々が集まることが多いのですが、これも東日本では家庭内祭祀、つまり各家庭で独自に祝うことが多いようです。
『守貞謾稿』(嘉永六年、1853年)によれば、京阪では呉服、木綿、古着等を扱う商人が祝う祭りで、呉服商はこの日に小布を売りました。江戸では呉服商などに限らず全ての商人が正月10日の十日恵比須よりも10月のえびす講の方を盛大に祝い、親類や得意客を招いて盛大な宴会を開いたとあります。
『江戸府内絵本風俗往来』(明治38年)の中編巻之五に、えびす講の記事が出ており、日本橋界隈は殊に大賑わいだったとあります。

その前夜、宵宮には大伝馬町に恵比須神を祭る神棚、三方、打ち出の小槌、掛鯛(かけだい)などを売る市が立ちました。とくにこの掛鯛は伊勢から運ばれて繰る塩鯛だったそうで、その独特の臭気から「腐れ市」と呼ばれることになったとも言われています。

またいつから売り始めたのか、きっかけは判りませんが、この市で糀につけた浅漬けダイコンも売っていました。これがべったら漬けです。仕込んだべったら漬けの食べごろがこの頃だったのか、この市で口開きとする習慣だったようです。べったらと言う名前は、「べったらべったら」と言う売り声や、「素通りするとべったりとつけるよ」、あるいは晴れ着を着た娘たちを追い掛け回したなどの説がありはっきりしませんが、よく糀に漬かっていた様を表して「べったら」と言ったのではないかと思われます。

(rauya)


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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部