2015年4月13日 更新

【ごはん映画】ワイナリーへの旅は人生を見つめる旅へ、人生が熟成していく贅沢な寄り道『サイドウェイ』

『サイドウェイ』――2004年に公開された本作は、バツイチの冴えない中年男と、結婚を1週間後に控えたその友人が、クルマを駆ってワインを味わう旅をしながら人生の意味を見つめていくというロードムービーです。

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ワインに興味があったら、この映画を観るといいよ。具体的な銘柄がいろいろ出てくるし、カリフォルニアのブドウ畑がそれは美しく映し出されているから」そう友人から勧められていたものの、映画はなるべくならスクリーンで観たいという意固地な性分が災いして、映画館へ行きそびれて以来、なんとなく疎遠になっていましたが、今回、ようやく対面することとなりました。

『サイドウェイ』――2004年に公開された本作は、バツイチの冴えない中年男と、結婚を1週間後に控えたその友人が、クルマを駆ってワインを味わう旅をしながら人生の意味を見つめていくというロードムービーです。

監督はジャック・ニコルソン主演の『アバウト・シュミット』やジョージ・クルーニー主演の『マイ・ファミリー・ツリー』(’12)などの秀作を放ってきたアレクサンダー・ペイン。主演は『アメリカンスプレンダー』(’03)や『シンデレラマン』(’04)で知られる実力派俳優、ポール・ジアマッティ。その名演を、トーマス・ヘイデン・チャーチ(本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネート、よくアーノルド・シュワルツネッガーに似ていると言われますね)やヴァージニア・マドセン(本作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたほか、数々の賞に輝きました)、サンドラ・オー(米ABCの大ヒット医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』で知られるカナダ出身の韓国人女優)が盛り立てます。
では、もう少し具体的にストーリーをご紹介しましょう。主人公はポール・ジアマッティ扮する国語教師・マイルス。彼は小説家を志望しているのですが、その作品は人生の折り返し地点を過ぎた今もなかなか評価されず、出版化にこぎつけることができません。そして、マイルスは男としてもイマヒトツ。かつての離婚の痛手からなかなか立ち直れない彼の風貌からは、いわゆる“負け犬感”がプンプンと漂っています。そんな彼の大いなるこだわりが“ワイン”。マイルスの学生時代からの親友で、現在は落ち目のTVスター、ジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)が結婚することになったので、最後の独身旅行を二人で楽しもうと、マイルスはジャックをワイン・ツアーに連れ出します。ワインの素晴らしさを語るマイルスに対して、独身最後のラブアフェアを楽しむことしか考えないジャック。そんな二人が、ワインを通じてマヤ(ヴァージニア・マドセン)とステファニー(サンドラ・オー)に出会い、すったもんだが繰り広げられていく……というのが大筋です。

アカデミー賞脚色賞に輝いているだけあって、そのストーリー運びは実にお見事。2時間超の上映時間でありながら、最後まで飽きさせません。そして、そのストーリーを下支えしているのが他ならぬ“ワイン”。そこで、以下では、劇中に登場する“押さえておきたいワインの銘柄”をご紹介しましょう。

●「バイロン」

マイルスとジャックがワインの旅に向けて、ロサンゼルスを出発した直後、クルマの中で乾杯に用いた一本がコレ。生まれはカリフォルニア州のサンタ・バーバラ。彼の地は冷涼な気候で、以前はブドウの栽培に向かないと考えられていましたが、ブルゴーニュ品種の栽培に適しているのではないかということでピノ・ノワールに力を入れるようになったそうです。現在ではピノ・ノワールだけでも170区画に分けて、管理を行っているとか。サンタ・バーバラで高品質なピノ・ノワールを生み出したパイオニア的存在、ですね。

●「ビエン・ナシード」

長時間のドライブを経てブエルトンの町に到着した二人は、マイルスが時おり訪れるワイン・レストラン「ヒッチングポスト」へ。そこで味わった一杯が、この「ビエン・ナシード」です。ビエン・ナシード・ヴィンヤードはピノ・ノワールの古樹を多く擁することで知られており、ならではの芳しい風味、長い余韻を味わうことができます。

●「オーパス・ワン」

敢えて語るまでもないほど、超有名なカリフォルニアのナパワインですね。ワイナリーを手掛けたのは、フランス・ボルドー、メドック格付け第1級、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵と、カリフォルニアワイン界の重鎮、ロバート・モンダヴィ氏。マイルスがワインにはまったのは、「オーパス・ワン 1995」がきっかけであると劇中で語られます。

●「リシュブール」

マイルスとジャックは、マヤと共にステファニーの自宅へ招かれます。マイルスはマヤにほのかな好意を寄せ、ジャックはステファニーへの下心を丸出しに。マイルスとマヤは、ステファニーのワインセラーから抜栓する一本を選ぶのですが、ステファニーから「リシュブールだけは開けないで!」と注意されます。このリシュブールも、上記の「オーパス・ワン」同様、言わずと知れたワイン・マニア垂涎のブルゴーニュワイン。“百の花の香りを集めてきたような”と形容されるほど華やかな、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの一本です。

●「サッシカイア」

こちらは、イタリアワイン好きなら知らない人はいない、トスカーナ発の至宝です。いわゆる「スーパー・トスカーナ」の元祖で、“小石だらけの土地”で生まれたことから、この名前が付けられました。劇中、マヤはこの1988年(伝説的なヴィンテージですね)でワインに開眼したと語られます。
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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部