2015年8月10日 更新

豆腐?玉子焼き??「もどき」のおかず、擬製豆腐

 おかず番付の秋の項に紹介されている「ぎせいどうふ」。擬製豆腐と書きますが「擬製」とは本物に真似て作ることです。では、擬製豆腐とはどんな料理なのでしょうか

精進料理から始まった?

筆者 (10490)

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 料理の由来は、一度崩した豆腐に味をつけて、再度成形したことからついた説。奈良県円照寺の義省尼が作ったところからついた説、あるいは江戸山王権現里院の僧、義性が考案した説、そして卵(焼き)に似せて作るのでこの名前がついた説と色々あり、はっきりしません。
 現在では卵を使ったレシピもあるようですが、「がんもどき」のように雁の肉に似せた豆腐の加工品と同じく元は精進料理だったらしく、料理本にも卵を使ったものはありませんので、僧侶が考案したと言う説も卵焼きに似せたと言う説も信憑性があるような気がします。
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 精進料理は魚や肉類を一切使わない料理で、仏教、特に肉類を忌避した寺院での食事として始まりました。最初こそ粗末なものだったそうですが、この擬製豆腐やがんもどきのように魚や肉に似せたものを作りだし、また禅宗の文化が持ち込まれたことにより、油を使った料理、麺類、菓子などに長足に進歩があったそうです

豆腐だけのレシピから野菜や卵を加えたレシピへ

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 『料理早指南』(享和元年、1801年)では、崩した豆腐から水気を抜き、酒、醤油で味をつけて炒ります。これを鍋いっぱいになるように入れて押しを掛けます。固まったところを一寸程度の大きさに切って鍋で焼き目をつけるとあります。
 『精進献立集』(文化十五年、1818年)では、豆腐を湯がいて水を抜き、擂り崩して砂糖、醤油で味をつけます。卵焼き鍋に入れて板で押さえて焼いたら、冷まして適当な大きさに切り、酒と醤油で煮た細く切った生姜やカヤを煮たものを付け合せます。
 八百善の主人が記した『料理通』(文政五年、1822年)では煮崩した豆腐をざるにあげて水を切り、味醂、醤油で味を付け、ごま油を引いた書く鍋に入れて良く煮て、上から石で一晩重石を掛けるとあります。

 料理本のいずれも玉子や野菜などの材料を使っていません。
 ですが、現在では木耳、椎茸、牛蒡、ニンジンなどの細切りに玉子を加えて焼くレシピが多く見られます。中には、銀杏、グリーンピースなどを入れるレシピもあるようです。元々は豆腐だけのシンプルなものが、時代を経て少しずつアレンジされて行ったのかもしれません。

 シンプルな味わいも良いと思いますが、彩よく見た目も楽しい、玉子焼き風の豆腐料理で楽しんでみるのも良いと思います。具だくさんで満足感があります。

(rauya)


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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部