2015年7月28日 更新

江戸時代に人気があったおかず「ひしお(嘗め物)」って知ってますか?

ご飯やお酒がどんどん進む!江戸時代のおかず番付(ランキング)の殿堂入り「ひしお」とはいったい何でしょう?当時は特に、ご飯をたくさん食べるのに塩辛いおかずが好まれていたようです。

江戸時代のおかずランキング、「おかず番付」の常連だったひしお

Ippei Suzuki (9925)

おかず番付『日日徳用倹約料理角力取組』は相撲の番付を模したもので、刊行年こそ不明ですが江戸時代の人気おかずランキングとも言えるものです。この番付が面白いのは、江戸時代における普段の食事の一端を知ることが出来るところだと思います。

おかず番付では左右に『精進方(野菜類)』、『魚類方(魚介類)』と題されてそれぞれおかずが並んでいますが、もう一つ注目したい項目が、『精進方』、『魚類方』を分けている真ん中の欄です。

相撲の番付のように、世話人、勧進元、差添、年寄りなどと銘打って、ここには調味料の他に、更におかずが並んでいます。いわば定番のおかず、殿堂入りしたようなおかずです。その内の一つ、『ひしお』をご紹介します。

ひしおって何?

ひしおは「醤」と書き、食品を塩と麹に漬けこんで熟成、発酵させる食べ物です。古くは中国から伝わったもので、味噌や醤油の原形と言われています。野菜の他、魚や、古くは動物の肉などを漬け込んで食べることもあったそうです。江戸時代の料理本にも『鳥醤(とりびしお)』の作り方が記載されています。

発酵熟成させて出た液体成分は、塩分とともにうまみを含むため、調味料としても使われました。有名なのが魚醤(ぎょしょう)で、秋田の『しょっつる』、能登の『いしる』、タイの『ナンプラー』やベトナムの『ニョクマム』などです。

液状へ発展した系統とは別に、固形、半固形の形態へ発展したものもあります。それが醤の一つとして伝わった『塩辛納豆』です。これは現在のいわゆる糸引き納豆とは違い、麹菌で発酵させた後に乾燥、熟成させたものです。伝わってきた中国で発達したのが現在よく知る『豆鼓(トウチ)』であり、日本では寺の台所、納所で作った豆、ということで寺納豆と呼ばれました。これが静岡は浜名の寺に伝わって浜名納豆(浜納豆とも)の名前が広く知られるようになりました。

嘗め物とも呼ばれたひしお

金山寺味噌

金山寺味噌

via 筆者
ひしおは、嘗め物とも呼ばれました。嘗め物とは、塩気や味が濃いことから少しずつ嘗めるように食べることからついた名前です。広い意味では塩辛なども含まれますが、番付上では塩辛が別項で上がっているので、ここでは塩辛を除いたものだと考えられます。これらは塩気が強いことからおかずだけでなく酒の肴にも喜ばれたようです。

特に味噌を使った嘗め物を嘗め味噌と呼びます。金山寺味噌、法論味噌(ほろみそ)などがそのよい例です。

金山寺味噌は径山寺味噌とも書き、中国から渡ってきたもので、大豆と塩、麹を混ぜナス、ウリ、生姜を刻んで混ぜ、さらにウイキョウ、山椒、紫蘇などを加えて熟成させたものです。

また、法論味噌は焼き味噌を日に干して、胡麻や麻の実、胡桃、山椒などの香辛料を細かくして混ぜたもので、別名飛鳥味噌とも呼ばれていました。これは奈良の僧が法論(仏教の法義について議論すること)の途中で用足しに中座しなくていいように、事前に食べたのが始まりとされます。

長期保存も出来た、塩気の強いおかず

鳥法論味噌(とりほろみそ)

鳥法論味噌(とりほろみそ)

via 筆者
熟成させて作る嘗め物の一方で、味噌の強い塩気で少しずつ、長く食べられる嘗め物も考え出されたようです。

江戸初期に刊行された『合類日用料理抄』(元禄二年、1689年)では、鳥法論味噌(とりほろみそ)の作り方が紹介されています。作り方は、雉子、鳩や小鳥の身を細かくし、骨なども細かくたたき、よく擂った味噌に酒と水を加えて緩くのばしたものと一緒に鍋に入れ、弱火で煮詰めていきます。山椒や黒ゴマなど、好みの薬味を加えて焦げ付かないようにしながら、煮汁がなくなってほろほろになるまでゆっくり煮て出来上がりです。

ポイントは寒い時期に作ることと、水分をしっかり飛ばすことで、次の年の夏まで持たせることが出来ると書いてあります。

これはほろほろになるまで煮詰めた、と言う意味もあると思いますが、味噌に香辛料や食材を混ぜた法論味噌(ほろみそ)からアレンジされたものかも知れません。

(rauya)
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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部