2015年6月15日 更新

塩茹でだけじゃないそら豆、天麩羅だけじゃない芝エビ

エジプトで4000年前から栽培されていた空豆のおかず、今では希少価値な芝エビのおかず。塩茹で天ぷら以外の美味しい食べ方をご紹介します!

筆者 (5547)

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江戸時代人気だったおかず番付から、夏のおかずを二品ご紹介します。そら豆は塩茹でとは違う調理法のもの、そして判りそうで判らない芝エビのおかずです。

そら豆の煮つけ

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そら豆と言えば夏を思い出す通り、今で言う初夏の野菜です。サヤが空に向かってつくことから「空豆」と呼ばれました。またサヤの形が蚕に似ていることから「蚕豆」とも書きます。

『本朝食鑑』(元禄十年、1697年)によれば、野良豆の一種として扱われています。野良豆は菓子や麺を作るのに使われていたそうです。味も大豆に似て甘く、毒もないと書かれています。現在でも大豆の代替品として醤油の原材料に使われたりしているそうです。

そら豆はもともと地中海辺りが原産だそうで、日本へは8世紀ごろに渡来したと言われており、世界中で食べられています。完熟した豆を乾燥させ、煮豆などに使うそうです。夏によく食べているものは未熟なうちに収穫したものです。

そら豆は塩茹でが一般的かと思われますが、醤油と酒で軟らかく煮つけてもそら豆自体の甘味があるので美味しいです。

芝えび豆腐

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おかず番付では料理法がその名前からは全く想像のつかない物がいくつかありますが、芝えび豆腐はその中の一つです。

芝えびはクルマエビ科のエビで江戸前、品川は芝の浜で採れたことから、芝エビと呼ばれたようです。特に天婦羅のタネによく使われました。
『料理早指南』(享和元年、1801年)では汁物、殻を剥いて黒胡麻和え、梅びしお和え、冬瓜などと一緒に使うのが良いと書かれています。同じおかず番付では殻をつけたまま炒る「芝えびからいり」が魚類方の小結にランクインしています。
一方、豆腐は専門の料理書が刊行されるほどの人気の食材でした。豆腐の見出しだけでも百以上の品が上がるほどです。

しかしながら、その中でも芝えび豆腐の名前は出てきません。豆腐百珍で目にするのは、苗蝦(えびざこ。小エビに小魚などが混ざったもの)を使ったものです。
「苗蝦豆腐(えびとうふ)」は小エビを生のまま包丁で細かくたたき、崩した豆腐をよくすり鉢で摺ってエビと合わせ、葱の白いところをザクザクと刻んだもの、大根おろし、山葵を入れて炒めた、醤油味の料理です。小エビがない場合は伊勢海老を切って茹でたものを使っても良い、と書いてありますので、芝エビで代用されたこともあったかもしれません。

他にも、『料理早指南』で冬瓜との調理が書かれていたように、現在でも冬瓜の餡かけ煮などにエビを切って入れたり、明治以降の料亭になりますが、豆腐に芝えび入りの餡かけをかけた料理などを出したりしているところがありますので、もしかしたらそのような料理であることも考えられます。
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尚、写真はこんな料理だったのではないか、というイメージのため、バナメイ海老を使用しています。

現在では「芝えび豆腐」どんな料理だったのかが判然としませんが、このおかず番付が出された頃は、その名前だけで判る料理だったのだろうと思われます。

豆腐百珍などの料理本を見て抱いた感想は、湯豆腐や冷奴、汁に使う以外は、意外と豆腐そのままで使っている料理が少なく、逆に、水気を抜いて崩した豆腐に他の材料を混ぜて油で炒めたり、一つにまとめて蒸したり、焼いたりする調理法が多いということです。料理本には普段のおかずと言うよりは、本膳や会席など改まった場やおもてなし料理が多いので、一概には言えませんがそれだけ豆腐が工夫しやすい食材だったと言うことかと思われます。

(rauya)

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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部