2015年8月10日 更新

秋といえばサンマ!でも江戸時代は下品な魚だった?

今や秋の名物といってもいいサンマ。落語でも焼き立てのサンマなど食べたこともない殿様でも思わず舌鼓を打つほどの旨さ、なんて言われる程ですが、実はサンマがもてはやされたのは、江戸時代も半ばごろからです。

最初はサンマと言う名前じゃなかった?

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 当初、サンマはサヨリの仲間だと思われていたようで、『本朝食鑑』(元禄10年、1697年)では「サヨリ」の項に登場し、「沖サヨリ」と言う名前で紹介されています。また、「島サヨリ」とも言われていたようです。いちめいに「ノウラギ」とも呼ばれ、「乃宇羅幾」、あるいは「乃宇羅岐」と書かれました。
 『本朝食鑑』での「乃宇羅幾」は、形は鰆に似て、大きさはサヨリほど。脂が多く、ロウソク、燈油が高かった時代、庶民はこの脂を採取して明かりを灯す油としていたそうです。

 また同書のサヨリの項でやっと「三摩(サンマ)」と言う呼び名が登場し、形はサヨリに似ているが、味は大きく劣る、と書かれており、食べたのは庶民が食べたとあります。
 『本草綱目啓蒙』(文化2年、1805年)では「鱵魚」の項に延喜式ではヨリトウヲ、ヨロト、サヨリ、ナガイハシ、などの呼び名の後に、紀州熊野にではオキサヨリ、江戸ではサンマと呼ぶと書いてあります。また播州(現在の兵庫県辺り)、讃州(香川県辺り)ではサイラと呼ぶとあります。

この時点ではサイラとノウラギはまだ別の魚という認識だったように思われます。
 『倭漢三才図会』(文政7年、1824年)では「さいら」の項に「のうらき」「乃宇羅岐」と付記してありますので、文政頃にどちらも同じ魚だと言うことになったのではないかと思われます。
 「秋刀魚」の字が使われるようになるのは、明治に入ってからとの事です。

料理本にも記載されなかったサンマ

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料理本としてサンマに触れているのは、探せた資料の中では『年中番採録』(嘉永二年、1849年)だけと非常に少ない結果となりました。来客の持て成し、茶会など特別な機会のための料理本が多い中、家庭向けの料理本である『年中番採録』以外にサンマの記載がないのは当然かも知れません。唯一記述のある『年中番採録』でさえも、生、塩蔵のどちらも「はなはだ下品なり」と述べていますので、長屋などに暮らす人々があまりお金もかけずに買えた食品だったのではないでしょうか。

 今は秋刀魚といえば秋の味覚の代表ともいうべき一品ですが、もてはやされるようになったのは随分後だと判ったのは意外でした。
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 また、電気のない時代の明かりと言えば蝋燭を思い浮かべますが、蝋燭は大変に高価なもので、長屋に住むような人たちでは日々の明かりに使うなどできないものでした。一般的に使われていた油は菜種油でしたが、それも高価だったため、そこで使われたのが魚から採られた魚油を燃やして明かりにする手段です。ですが、この油は明るさも足りない上に真っ黒な煙が上がり、大変に臭かったそうです。夜に文字を読んだり針仕事をしたりなどしようとしても、行灯の障子越しでは到底明るさが間に合わず、障子を開けても見えづらかったそうです。

(rauya)


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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部