2015年5月14日 更新

おかず番付、堂々の関脇!だしが染みた優しい味の常備菜「昆布あぶらげ」

江戸時代、長屋の町人に愛されていた料理「昆布あぶらげ」。おふくろの味の代表格ともいえるこの料理は、今の時代でもヘルシーに美味しくいただけます。

江戸時代の料理とは?

筆者 (2604)

via 筆者
江戸時代の料理について有名な話といえば、大食い大会、八百膳の高いお茶漬けなどではないでしょうか。もちろんこれらも間違いではありません。しかし、よくよく調べていくとこのような体験をするのは、江戸町民の中でも少しお金に融通の利く人たちだったようです。

では、東海道膝栗毛に出てくる弥次さん、喜多さんのような、いわゆる長屋の住民は一体どのような物を食べていたのでしょうか。

おかず番付

その一端を教えてくれるのが『日日徳用倹約料理角力取組(にちにちとくようけんやくりょうりすもうとりくみ)』と言うおかず番付です。
おかず番付は相撲の番付を模した「見立て番付」と呼ばれる物で、行司、世話人、勧進元、差添、年寄りなどを真ん中に挟んで、右と左に分かれたランキングになっています。

並んだおかずの中には、現在でも食べられているものが多くあります。行司、世話人は漬け物、常備菜が並び、勧進元差添にはみそ、塩、醤油と調味料が構えています。このおかず番付では、いわゆる東の方に「精進方」、つまり野菜中心のおかずが並べられ、西の方に「魚類方」と題して、魚介類が並びます。その精進方の大関が「八杯豆腐」。

そして、二位の関脇が「昆布あぶらげ」です。大関、関脇、小結、前頭と上位までは四季を通じて人気のあるおかずのようです。

多くのおかずに使われている、使いやすい昆布と油揚げ

いしだひでヲ (2605)

昆布あぶらげの作り方はご存じの方も多い、だし汁に醤油、塩、酒で味をととのえて、昆布と刻んだ油揚げを入れて煮含めるもので、各家庭の味がある一品でもあります。

昆布は乾燥したものを出汁に使うほか、生や湯がいたものを今でも料理に使います。江戸時代の料理本を見ると、すまし汁の具にして胡椒や茗荷をかけたり、野菜や魚などと煮つけるなどの料理が出てきます。

油揚げはご存じの通り薄く切った豆腐を油で揚げたものです。江戸時代の料理本では、揚げ豆腐、あぶらげの名前でも登場しており、単純に「油揚げ」だけで見ていくと、全く違う料理だったりします。料理法としては、汁の具にしたり、そのまま焼いて醤油を掛けたり、野菜と一緒に煮物にしたりなど、現在ともあまり変わらない方法が採られています。

昆布あぶらげのつくり方

筆者 (2606)

via 筆者
<材料>
 昆布 ……………… 200g(湯がいたもの)
 油揚げ …………… 2枚
 だし汁 …………… 300㏄
 醤油 ……………… 大さじ2
 酒 ………………… 小さじ2
 砂糖 ……………… 小さじ2
 すりおろし生姜 … 適量


<下準備>
・油揚げに熱湯をかけて油抜きをし、横長に半分にし、短冊切りにしておく。
・昆布をざっと洗い、適当な長さに切っておく。


<作り方>
1)鍋にだし汁、醤油、酒、砂糖、すりおろし生姜を入れ、煮たたせる。
2)油揚げと昆布を入れ、煮汁が少し減るまで煮る。
今回はだし汁を作りましたが、水とめんつゆで代用しても大丈夫です。その場合は醤油、酒、砂糖を入れないで、煮たたせてから味見をしながら醤油、酒、砂糖を加えてください。お澄ましよりも少し濃いくらいが食べやすいです。

『年中番菜録』(嘉永二年、1849年)では「丁寧に料理するならば、湯をかけて油をとること」と指示が書かれているため、現在と変わらず油抜きをしないで使うことがあったこともわかり、親近感が湧きます。
おかず番付『日日徳用倹約料理角力取組』は、電子アーカイブですが、良かったら一度ご覧になってみてください。東京都立図書館、TOKYOアーカイブの「番付」から検索して見ることが出来ます。

東京都立図書館 TOKYOアーカイブ(http://archive.library.metro.tokyo.jp/da/top


written by rauya
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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部