2015年6月18日 更新

かつお節になる途中だって食べられます。高タンパク食品のなまり節

なまり節は鰹節になる途中のものです。鰹は初鰹やたたきでもよく知られるように、刺身で食べることが多いのではないかと思いますが、おかず番付では鰹の献立としては、塩漬けの鰹を焼くほかは、なまり節の献立が多く登場しています。  切り身にした鰹を蒸し、茹でているので、生魚よりも日持ちがするところから喜ばれたのではないでしょうか。

夏の献立に一役買ったなまり節

by 筆者 (6010)

via by 筆者
夏にとれる鰹を加工したものですが、鰹節や塩蔵(えんぞう)にしたものよりは日持ちがしませんので、作って数日程度の物が江戸時代でも使われていたのではないでしょうか。

『新撰包丁梯(かけはし)』(享和三年、1803年)には「乾生鰹(なまぶし)」の項に鰹節を作ろうとしたところ、曇りの日が続いたため、藁を焼き燻し蒸したのが始まりだと書かれています。こちらにも作ってから日の経ちすぎたものは食べてはいけないと書いてありますので、そう長く日持ちのするものではなかったようです。

『卓袱会席趣向帳』(明和八年、1771年)の七月の献立、膾の部になまり節の料理があげられています。調理する時の注意事項として「生干節(なまりぶし)は随分なまびがよし」とあります。なまびとは「生乾」のことで、丁度いいものを選ぶ必要があったようです。

『料理早指南』(享和二年、1802年)では、平鉢の一品として大きめに切ったものを薄めの醤油に加減して煮て、葛だまりをかけるものが紹介されています。同じく中皿では厚く大きく切って塩を振り、たで酢を掛けるもの、丼物として少し厚めに切って赤味噌を擂って酒で伸ばしたものに胡椒の粉を入れて煮るもの、大猪口の品としてさいの目に切ったなまり節に黒ごまみそを和えるなどの料理が紹介されています。

『年中番菜録』(嘉永二年、1849年)にも平鉢の一品として豆腐、マツタケ、筍、そのほか野菜と取り合わせて煮たり、向付として煮しめ、あるいは薄切りにしておろし醤油で食べる料理が紹介されており、なまり節は広く親しまれた食材だったことが判ります。

いずれも下処理として湯通しして生臭みを取り使うと書いてあります。また、余分なところを削って使うようにとの注意書きもあり、現在の下処理で皮や鱗などを良く取り除くやり方は江戸時代と同じだったようです。また、生姜のほか、生臭みを取るのに胡椒を使っています。

※塩蔵(えんぞう)…塩に漬けて長く保存すること

おかず番付で紹介されたおかず

筆者 (6013)

なまり節のきゅうりもみは、塩もみしたきゅうりを解したなまり節に添えたもの。
via 筆者
筆者 (6014)

なまり節大根おろしもきゅうりもみと一緒で、解したなまり節に添えたもの。
via 筆者
きゅうりもみ、大根おろしは醤油で食べたのでしょう。今なら生姜醤油やポン酢でも美味しそうです。
筆者 (6016)

ひじきなまり節は、ひじきとなまり節を一緒に煮たものでしょう。ひじきとツナで煮つけたものと同じく、これは今でも作ってる方も多いお馴染のおかずではないでしょうか。
via 筆者
また上記でも紹介した『新撰庖丁梯』では、その頃マグロ製の偽物が出回ったとあり、それを読んで、日本ではツナ缶のツナは「マグロ」ですが、日本以外ではむしろカツオだと言う話を思い出しました。
英語ではカツオは「skipjack tuna」と言いますが、このtunaにはサバ科の魚の総称で、マグロ、ビンチョウ、メバチ、キハダ、カツオを含んでいます。確かに味も似ているので、マグロでなまり節を作ろうと考えたのは、むしろ贋作にするつもりはなく、もしかしたらマグロの保存方法を模索していたのかも知れません。

今はカツオを使った「ツナ缶」も多く売られていますので、なまり節の代わりに水煮などを使ってみるのも良いかもしれません。

(rauya)

thumbnail by photo AC
http://www.photo-ac.com/
9 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

文句を言われても食べたい?江戸っ子が飛びついた初鰹

ネギと生姜たっぷりの鰹のタタキは美味しいですよね!今では一般庶民でも手軽に食べられる初鰹ですが、昔は蕎麦300杯分以上に相当するほどの贅沢品だったんだとか。

6月は「鰹」が旬!鰹のたたきを使って贅沢にお茶漬けにしちゃおう♪

お茶漬けというシンプルなレシピだからこそ丁寧に作りたい。今回は6月の旬である初鰹を使ったお茶漬けをご紹介。せっかく初物を食べるなら、ちょっと「ひと手間」をかけてみませんか?さらに、焼きおにぎりを使って簡単にできるお茶漬けレシピはいかがでしょうか?

梅雨のジメジメを吹き飛ばす!梅雨を乗り切る元気プレートのつくり方

【動画】最近雨も多くなってきました。いよいよ本格的な梅雨シーズン到来です。梅雨の時期になると体調を崩してしまう方も多いと思います。すっきりしない天気が続くと気分まで落ち込みますよね。。今回はそんな梅雨の憂鬱を吹き飛ばす「梅雨を乗り切る元気プレート」をご紹介します!栄養バランスのとれた食事でジメジメな梅雨を乗り切りましょう!

貧血気味の女性にオススメ!和の食材「カツオ」の魅力を見直してみよう

生のカツオ・かつお出汁には、健康をサポートする効果があります。 体力が落ちたとき・貧血気味の女性にこそ、積極的に食べてほしい食材です。 日本人が慣れ親しんだ「カツオ」の魅力を見直してみましょう。

栄養豊富なカツオを食べよう!

カツオの旬は初鰹の初夏から戻りガツオの初秋と日本では長く食べられます。世界でもツナ缶として、宗教上の問題なく広く流通している魚です。

キーワード

ライター

ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部