2015年9月14日 更新

大きな3色団子!下町の趣あるお団子、言問団子

言問団子(ことといだんご)は東京・墨田区向島の名物団子です。言問とは不思議な名前ですが、どのようにできたのでしょうか。

「言問(こととい)」の起源

業平橋 by masayukig/flickr

業平橋 by masayukig/flickr

言問は地名で現在の東京都墨田区向島辺り、昔の隅田川堤近辺を指す名前です。伊勢物語(八段、東下り)で在原業平が関東へ旅をした際、この辺りの渡し舟に乗って詠んだ歌「名にし負はばいざ言問はん都鳥 わか思ふ人のありやなしやと」がちょうどこの辺りだったことからついたといわれています。
言問団子の成立は江戸の末期から明治頃だと言われており、また実際の渡し舟があったのは現在の白髭橋辺りの上流(橋場の渡し)だったという説もありますので、言問の名前は団子が出来てからつけられたようです。

現在の言問橋の南側には、業平神社がありました。一説に業平が亡くなった後の塚があったことから、祀るための神社ができたといわれています。
また現在は浅草通りの現「東京スカイツリー駅」(かつての「業平橋駅」)辺りに実際に大横川を渡る業平橋が掛けられていました。架けられたのは寛文の頃で、業平神社に近いことからつけられた橋の名前だそうですので、業平神社はそれ以前からあったと考えられます。文化年間頃の古地図には「ナリヒラジンジャ」と「ナリヒラバシ」の名前が見えます。また『江戸名所図会』にも「業平天神」の記述がありますので、在原業平にちなんで言問の名がつけられたのも、納得がいきます。

在原業平の歌に因んだ言問団子

seagull by yendo0206/flickr

seagull by yendo0206/flickr

言問団子は一説に、向島に住む腕の良い庭師だった外山佐吉が茶店を始め「言問団子」の名前をつけて売り出したところ大人気となったと言われています。団子と言えば串に刺さっているものが一般的だと思いますが、言問団子は串に刺さっていません。直径3センチほどの米粉の団子で、小豆餡、白餡、味噌餡の三種類です。白地に都鳥を書いたお皿に乗せられてくるそうです。
初代は小豆餡、白餡の二個だったそうですが、二代目のご主人が三種類目を考案されたとのこと。

言問橋周辺は業平との縁もあり文人墨客の散歩道となり、言問団子を求めて文人が訪れたそうです。また、初代ご主人は明治十一年に、江戸時代に行われていた行事で一度途絶えた水死者の霊を慰める灯篭流しを復活させたと言われています。

ちなみに、この歌の「都鳥」はミヤコドリなのか、ユリカモメなのか議論があったそうですが、伊勢物語の赤いくちばしと白い羽の鳥という記述と、京には生息していないこと(同伊勢物語で「見たことのない鳥」との記述)からユリカモメが有力だと考えられているそうです。

(rauya)

thumbnail pictures by ys*/flickr
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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部