出汁とともに旨味が染みる、たけのこあらめ
春の味覚として人気のあるタケノコのは意外や夏のおかずとしてランクインしています。採れる時期が旧暦の江戸時代では夏に相当していたからです。
そんなタケノコは多くの料理に使われてきました。煮物や汁物の具、和え物にしたり焼いたり。中でも出汁で煮含める羹(あつもの)、煮物が一番美味しいと思われていたようです。料理本でもタケノコを使った煮物が多く紹介されています。
荒布(あらめ)はコンブ科の海藻で、若芽のよりも肉厚であることからつけられたようです。『古今料理集』(延宝二年、1674年)では爪の跡が付くくらいに柔らかく茹でてよく洗って使うとあります。『当流節用料理大全』(正徳四年、1714年)では荒布(あらめ)は汁物の具、煮物などに使うと良いとあります。それから130年経った『年中番菜録』(嘉永二年、1849年)では、江戸ではよくおかずに用いるが、関西、おそらくは京都ではないかと推察しますが荒布(あらめ)は、おかずにあまりするようなものではないが、安いことから油揚げと一緒に煮るのが良いだろうと書かれています。また、ひじきと荒布(あらめ)を炊き合わせた品は、この頃の茶席で出すのが流行りだったようです。
タケノコと言えば、わかめや油揚げと一緒に煮た煮物がポピュラーですが、荒布(あらめ)は少し歯ごたえがあるのでそれだけでも少し違った感じのおかずになります。
そんなタケノコは多くの料理に使われてきました。煮物や汁物の具、和え物にしたり焼いたり。中でも出汁で煮含める羹(あつもの)、煮物が一番美味しいと思われていたようです。料理本でもタケノコを使った煮物が多く紹介されています。
荒布(あらめ)はコンブ科の海藻で、若芽のよりも肉厚であることからつけられたようです。『古今料理集』(延宝二年、1674年)では爪の跡が付くくらいに柔らかく茹でてよく洗って使うとあります。『当流節用料理大全』(正徳四年、1714年)では荒布(あらめ)は汁物の具、煮物などに使うと良いとあります。それから130年経った『年中番菜録』(嘉永二年、1849年)では、江戸ではよくおかずに用いるが、関西、おそらくは京都ではないかと推察しますが荒布(あらめ)は、おかずにあまりするようなものではないが、安いことから油揚げと一緒に煮るのが良いだろうと書かれています。また、ひじきと荒布(あらめ)を炊き合わせた品は、この頃の茶席で出すのが流行りだったようです。
タケノコと言えば、わかめや油揚げと一緒に煮た煮物がポピュラーですが、荒布(あらめ)は少し歯ごたえがあるのでそれだけでも少し違った感じのおかずになります。
<材料>
たけのこ …… 200gくらい
あらめ …… (乾燥状態で20g、戻して5~6倍)
だし汁 …… 500ml
醤油 …… 大さじ3
酒 …… 大さじ2
砂糖 …… 小さじ2
<下準備>
・あらめはたっぷりの水で戻し、水を切り、適当な長さに切る。
・たけのこは適当な大きさと薄さに切って置く。
<作り方>
1)だし汁、醤油、酒、砂糖を鍋に入れて煮立たせる。
2)鍋にたけのことあらめを入れて、少し煮汁が減るくらい煮詰める。
今回は処理済の水煮を使いました。また、あらめは細く刻んで乾燥させたものです。生や細切りでないあらめは適当な大きさに切ってください。
味加減は土佐煮と同じくらいの加減にしてみましたが、お好みで加減してください。みりんを入れてもOKです。
また、出汁ではなく、麺つゆなどから味付けを加減しても良いと思います。
なお、下茹での必要なあらめの場合は、「梅酢を少し入れて煮ると早く柔らかく煮える」と『年中番菜録』に書かれています。現在でも昆布などを柔らかく煮るには酢を入れた湯で下茹でするそうですので、この頃の知識がずっと現在まで続いているのが興味深いと思います。
たけのこ …… 200gくらい
あらめ …… (乾燥状態で20g、戻して5~6倍)
だし汁 …… 500ml
醤油 …… 大さじ3
酒 …… 大さじ2
砂糖 …… 小さじ2
<下準備>
・あらめはたっぷりの水で戻し、水を切り、適当な長さに切る。
・たけのこは適当な大きさと薄さに切って置く。
<作り方>
1)だし汁、醤油、酒、砂糖を鍋に入れて煮立たせる。
2)鍋にたけのことあらめを入れて、少し煮汁が減るくらい煮詰める。
今回は処理済の水煮を使いました。また、あらめは細く刻んで乾燥させたものです。生や細切りでないあらめは適当な大きさに切ってください。
味加減は土佐煮と同じくらいの加減にしてみましたが、お好みで加減してください。みりんを入れてもOKです。
また、出汁ではなく、麺つゆなどから味付けを加減しても良いと思います。
なお、下茹での必要なあらめの場合は、「梅酢を少し入れて煮ると早く柔らかく煮える」と『年中番菜録』に書かれています。現在でも昆布などを柔らかく煮るには酢を入れた湯で下茹でするそうですので、この頃の知識がずっと現在まで続いているのが興味深いと思います。
生海苔三杯酢
古くから食べられていた海苔ですが、江戸時代に入るまでは天然ものを採取して食べていたようです。また、海苔を乾燥させて保存していたようですね。
江戸時代に入り、江戸で養殖技術が確立し、全国にその方法が広まったと言います。それでも技術的には経験則で行われていたので、現在に比べると不安定だったそうです。
『古今料理集』、そして『卓袱会席趣向帳』(明和八年、1771年)では、生海苔は正月、江戸時代では春も初春の頃が一番だと考えていたようです。調味法としても、汁や吸物の実、煎りつけ、山かけ、お浸しなどが良いと書いてあります。
現在でも生海苔が食べられるのは旬である冬ですが、最近は板海苔状ではない乾燥海苔もありますので、一年を通して食べることが出来ます。汁物の具だけでなく、甘辛く煮つけて佃煮にするのも美味しいものです。
三杯酢は酒、醤油、酢を1:1:1と同量混ぜたことから三杯酢と呼ばれています。普通に混ぜ合わせても使ったようですが、さらにひと手間加えてそれを煮たたせたものを冷やしたものは「猶良し」と『料理早指南』(享和元年、1801年)では書かれています。
現在の三杯酢は酒の代わりにみりんや砂糖などを加え、ほどよい甘さと酸っぱさでサッパリとした合わせ酢になっていますが、料理本を見ると、現在よりもだいぶ酢も、醤油の味も濃かったようです。三杯酢などの酢の物は、さっぱりとした味わいから夏に食べたくなる感じがしますが、醤油味が少し強くなると季節を問わずに食べられそうですし、酒の肴としても良さそうです。
甘味のない、江戸時代通りの味に作っても良いと思いますし、酒、酢、醤油の組み合わせで酢や醤油の量を加減したり、煮たたせてアルコールを飛ばし、少しマイルドにしても美味しいと思います。
(rauya)
江戸時代に入り、江戸で養殖技術が確立し、全国にその方法が広まったと言います。それでも技術的には経験則で行われていたので、現在に比べると不安定だったそうです。
『古今料理集』、そして『卓袱会席趣向帳』(明和八年、1771年)では、生海苔は正月、江戸時代では春も初春の頃が一番だと考えていたようです。調味法としても、汁や吸物の実、煎りつけ、山かけ、お浸しなどが良いと書いてあります。
現在でも生海苔が食べられるのは旬である冬ですが、最近は板海苔状ではない乾燥海苔もありますので、一年を通して食べることが出来ます。汁物の具だけでなく、甘辛く煮つけて佃煮にするのも美味しいものです。
三杯酢は酒、醤油、酢を1:1:1と同量混ぜたことから三杯酢と呼ばれています。普通に混ぜ合わせても使ったようですが、さらにひと手間加えてそれを煮たたせたものを冷やしたものは「猶良し」と『料理早指南』(享和元年、1801年)では書かれています。
現在の三杯酢は酒の代わりにみりんや砂糖などを加え、ほどよい甘さと酸っぱさでサッパリとした合わせ酢になっていますが、料理本を見ると、現在よりもだいぶ酢も、醤油の味も濃かったようです。三杯酢などの酢の物は、さっぱりとした味わいから夏に食べたくなる感じがしますが、醤油味が少し強くなると季節を問わずに食べられそうですし、酒の肴としても良さそうです。
甘味のない、江戸時代通りの味に作っても良いと思いますし、酒、酢、醤油の組み合わせで酢や醤油の量を加減したり、煮たたせてアルコールを飛ばし、少しマイルドにしても美味しいと思います。
(rauya)
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