2015年6月15日 更新

焼いてヨシ、煮てヨシ、お刺身でもヨシの野菜、茄子!

水なす、長茄子、米茄子、丸茄子!茄子と言えども種類豊富!!様々なアレンジが効く茄子のレシピを江戸時代からおかず番付上位ランキングからご紹介します♪

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茄子は夏から秋にかけて食べられる野菜です。茄子を主役にしてもよし、他の材料と一緒に調理しても良し、と使い勝手のいい野菜ですが、『本朝食鑑』(元禄十年、1697年)では、昔からぬかみそに漬けた漬物は身分の差なく喜ばれた、とあります。

多くの調理法のあった茄子

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秋茄子嫁に食わすな、と言うことわざは身体を冷やすから言われているとの説がありますが、『当流節用料理大全』(正徳四年、1714年)の青物類能毒書(あおものるいのうどくがき)にも冷え性の人は茄子を食べてはならないと書いてあります。
『古今料理集』(延宝二年、1674年)では、茄子に適した料理としては、汁物の実にするのが一番だとあります。 他にも、煮物、蒸し茄子、和え物、酢の物、鴫焼き、焼き浸しなどの料理法が上がっています。

興味深い料理では、『料理物語』(寛永二十年、1643年)に「からげ汁」の名前で出ている汁ものです。茄子を二つに割って中を少しくぼませて、山椒、けし、すった胡桃などを入れシソの葉で包み、糸のように切った昆布で結びます。出汁に味噌を入れ良く煮て、出す直前に葛を溶いてとろみをつけると言うものです。同じ料理は七十年経った『当流節用料理大全』、更に四十年ほど後の『当流料理献立抄』(宝暦年間、1751~1764年)にも登場しており、少なくとも百年に渡って食べられていたことが判ります。

おかず番付では、「茶筅茄子の旨煮」、「なす揚げ出し」、「なすのさしみ」、「なす鴫焼き」、「なすび油煮」が夏のおかずとしてランクインしています。
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「茶筅茄子の旨煮」はヘタと先を切り離さないように縦にぐるりと切れ目を入れ、低温の油でゆっくり上げた後に、醤油、砂糖、酒で煮たものです。最近では鷹の爪を少し入れてピリ辛にすることも多いようですが、鷹の爪が入っていなくても美味しいですし、作った当日でも、冷やして味が染みた翌日でも美味しい一品です。『茶せん』の名がついたのは、抹茶を点てる時の茶せんの形に似ているからです。
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「なす揚げ出し」は油で揚げた茄子に出汁と醤油で味を付けて出汁をかけたもの。大根おろしを添えます。江戸の料理本では同じ料理法で「揚げ出し」と「煎り出し」の二通りの名前で書かれています。
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「なすの鴫焼き」ナスを縦に二つに割って、味噌を塗って焼いたものです。『当流節用料理大全』では色々な料理法の聞き書きと題して鴫焼きが載っています。それによれば、縦二つに割ってナスを茹で、山椒味噌をつけて焼いたようです。現在の調理法では田楽と異なり、油を塗って焼いてから味噌を塗るのが一般的なようです。

 「なすび油煮」はナスを低温の油でじっくり茹でて、八方出汁に漬け込む料理です。揚げ出しとの差が微妙ですが、揚げ出しは出汁をかけ、油煮は「煮」の文字がついているように、出汁で煮ると言う差があるようです。
egp_06_flck.jpg、Water Eggplant by raneko (5506)

「なすのさしみ」は生食する茄子ならば水茄子だと思われますが、『料理網目調味抄』(享保十五年、1730年)の二編、差味(さしみ)の部には精進差味として、野菜や麩などが挙げられている中に、「なすび」の名前が見えます。ほかにも火を通さないと食べられないのではないかと思われる野菜が並んでいるので、おそらく茹でるか軽く焼くなどして食べたのではないでしょうか。


<幻の料理? 茄子のしんきあえ>
『茄子のしんきあえ』の名がおかず番付に登場するのですが、江戸時代の料理本を探しても、この料理が出てきません。唯一登場してくるのが、季語です。それによると、皮を剥いた茄子を蒸して、胡麻と醤油で和えたもの、とあります。料理法をわざわざ書く必要もないほど一般的な料理だったのかも知れません。

是非、夏の旬野菜“茄子”を楽しんでみてくださいね。

(rauya)

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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部