紅茶シリーズvol.２「中国がルーツ！？アールグレイについて」

私たちが普段何気なく飲んでいる紅茶ですが、茶葉によって様々な味と香りが楽しめます！前回は世界三大銘茶のダージリンを紹介しましたが、紅茶の茶葉の違いを楽しめるよう、今回はダージリンティーと味の比較が最もしやすいと言われている「アールグレイ」ティーをご紹介します。

アールグレイティーは中国茶をベースにベルガモットオレンジを着香したものです。ブレンドには中国茶の他、インド茶やセイロン茶が使用されていることが多いようです。

開発当時はイタリア産のベルガモットオレンジが使用されていましたが、次第に各社ブレンドの仕方を独自に開発し始め、味や香りに違いが出てきました。ただし、ベルガモットの香りをつけている点では同一です。カップの湯気から立ち上る柑橘系の爽やかな香りには癒される方もいるのではないでしょうか。

またその特徴的な香りから、紅茶通でなくともこれがアールグレイティーであるとはっきりとわかると思いますので、紅茶初心者ならアールグレイとそれ以外、という覚え方から始めるのもいいかもしれませんね！

中国茶をベースにブレンドされたアールグレイティーですが、中には「紅茶の産地で有名なインドやスリランカの紅茶ではなく中国茶とのブレンドなの？」と意外に思われた方もいることでしょう。

実はアールグレイティーにはお手本となる元のお茶があったのです。それが「ラプサンスーチョン」というお茶です。中国福建省武夷山（ちゅうごくふっけんしょうぶいさん）の桐木村で作られた「正山小種（せいざんしょうしゅ）」というお茶で、福建語の発音がヨーロッパ人にはラプサンスーチョンと聞こえたため、このように呼ばれるようになったようです。

このお茶は製茶の最終行程で、龍眼（果樹）のような香りを付着させており、当時中国に赴任していた外交官によって秘伝のお茶としてイギリスのグレイ伯爵に献上されました。これが伯爵のお気に入りとなり、それに目をつけたのが英国のジャクソン社。同社がラプサンスーチョンの味を再現させ「アール（伯爵の意）グレイ」という名で世に売り出したものが、私たちの現在飲んでいるアールグレイティーの原型といわれています。

アールグレイティーはアイスティーとしてもよく飲まれますが、独特の香りはミルクティにも最適です。気分をリフレッシュしたいとき、またはフルーツ系のスイーツを食べるときに、ぜひアールグレイティーを楽しんでみてください！

紅茶を入れる時は完全に沸騰したお湯をポットに注ぎます。沸騰したお湯の中で茶葉が上下に動くことをジャンピングと言い、十分にジャンピングさせることで茶葉本来の味と香りが出てきます。ジャンピングには空気も欠かせませんので、少し高めの位置からお湯を注ぐのもポイントです。


written by Hana Kudo

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