2015年8月10日 更新

素朴な味わいながら目を楽しませるお菓子、落雁

シンプルな材料で形や色とりどりなものが増えてきた落雁。最近ではポップな形のものが増えてきてお土産やちょっとしたプレゼントにも喜ばれますよね。そんな落雁はどのようにできたのでしょうか。

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砂糖を水で煮詰めたものに麦粉などを混ぜて形に入れ、打ち出したお菓子です。現在では贈り物やお彼岸の頃に使うなど、お茶席で出される事もあるようです。小さなものから大きなものまで、色形共にいろいろな落雁があり見るのも楽しいですが、このお菓子はどのように出来てきたのでしょう

もとは中国のお菓子?

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 落雁は、明朝の頃の「軟落甘(なんらくかん)」と言うお菓子の名前から「軟」が落ちたと言う節と、落雁粉の白地に散らした黒胡麻が雁の列を成して飛ぶ様に見えたことから付けられた節とあるそうです。
 雁の名前がついた節としては、後陽成天皇(在位1586年~1611年)が献上された落雁を見て、瀟湘(しょうしょう)八景の「平沙落雁」や近江八景の「堅田落雁」などの風流な題材を基にした詩を読んだと言う逸話によります。江戸後期に成立した『類聚名物考』の落雁の項では、近江八景の節を紹介されています。

※「堅田落雁」の絵は「国立国会図書館サーチ」から「落雁」で出てくる同館のデジタルコレクションから見ることが出来ます。

 『嬉遊笑覧』(文政十三年、1830年)では「軟落甘」の名前が略されて「落甘」、らくがんになった、という江戸中期に出された考証随筆『朱子談綺』の説を採用しています。また、美人を褒める「沈魚落雁」(魚は深く沈んで隠れ、雁も驚いて落ちるほど。荘子の「斉物論」から)の形容を使うほど形が美しいことから名が付いた、との説も紹介しています。

さまざまな形で作られた落雁

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陽成天皇の在位の頃はまだ落雁はそこまで一般的なお菓子ではなかったようで、茶会で出された最初の記録は正保五年(1648年)の金森宗和が催した会の記録が最初だそうです。それ以前となると寛永十二年(1635年)の御所へ納めていたお菓子のなかに、やっと落雁の名前を見ることが出来るそうです。

 落雁は麦粉やもち米などの粉に砂糖類を入れ、木に彫った形に入れて形を作ります。初期の落雁は単純な形だったようですが、次第に凝った形を作るようになってきます。前出の『類聚名物考』では当初の形は「洲濱」のような形(海上に浮かぶ島が干潮により砂洲を三方に表した形)だったのではないか、と書かれています。
 形が如何に凝っていたか、という一例は『合類日用料理抄』元禄二年、1689年)の「菓子の類」の落雁の項で「菊扇草花生類いろいろをほりこみたる木のかたへ」とあることからも判るかと思います。

 また紀州藩御用達を勤めた和歌山県の駿河屋総本家は、藩主の依頼により将軍への献上用に大型の落雁を作ったことがあるそうです。また菓子を描いた絵図帳にも手の込んだ落雁が書かれているそうです。それは今にも伝わっており、和菓子屋さんで落雁を見ると、細かな形が出来上がっていることが見ることが出来ます。

(rauya)


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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部