2015年7月9日 更新

簡単調理で食べられる夏のおかず

 江戸時代のおかず人気ランキング、『日日徳用倹約料理角力取組』から夏のおかずを二品ご紹介します。一品はあっさりと茹でたさやえんどう、そしてもう一品は力強い味のかぼちゃごま汁です。どちらも簡単な調理でおかずになり、暑い夏には大助かりの品ではないでしょうか

さやえんどう

筆者 (9357)

via 筆者
さやえんどうはヨーロッパが原産で、日本へは奈良時代には伝わってきていたようです。種類としては、グリーンピースのように豆だけを食べるものと、キヌサヤエンドウのように未熟なサヤごと食べるものがあります。ここ数年出ているスナップエンドウもサヤごと食べる種類です。

 『新撰庖丁梯』(享和三年、1803)では、サヤが未熟で柔らかいものを使うとあり、料理には羹の具、煮浸し、煮しめなどを上げています。『精進献立集』(文政二年、1819)、『年中番採録』(嘉永二年、1849)でも煮しめや和え物がよいとあります。
 おかず番付ではシンプルに『さやえんどう』と書かれていますので、これはおそらく塩茹でしたものではないかと思います。鰹節に醤油をかけたりして食べたのではないでしょうか。

さやえんどうは塩茹でであっさり食べたり、マヨネーズをかけたりすると美味しいものですね。シンプルなのでビールなどにも合うと思います。他にも煮物の色どりとして使ったり、卵とじなど美味しく食べられます。

かぼちゃごま汁

筆者 (9360)

via 筆者
 かぼちゃは天正年間(1573~92年)頃に九州に伝わり、そこから日本全国に広まりました。東南アジアやカンボジアから伝わってきたため、カンボジアが転じて「かぼちゃ」になったと言われます。天保四年(1833)に刊行された『都鄙安逸傳』では、かぼちゃを江戸では「唐茄子(とうなす)」、京都で「かぼちゃ」、西国辺りでは「ぼうぶら」と呼ぶ、と書かれており、「かぼちゃ」と呼ぶのが一般的になったのは、後のことであるようです。
 料理本ではかぼちゃは汁物、田楽、煮物などの他、かぼちゃを焚き込んだご飯や、漬物などの調理法が上がっています。

 一方のごま汁ですが、『料理早指南』(享和元年、1801)によれば、白胡麻を使う時は白みそ、黒胡麻は普段使う味噌に摺り混ぜ、こして使うとあります。味噌を使う時の記載として、必ず擂ってから味噌こしなどでこして使うと書いてあるのは、江戸時代ごろの味噌は大豆が今よりも残っていたからではないかと思われます。
 かぼちゃの味噌汁に、擂った胡麻を入れて出来上がりという簡単な調理法もさりながら、胡麻の香ばしさがあってボリューム感のある味噌汁になります。
 通常の味噌汁よりは多少味噌の加減が少なくても良いかも知れません。煎り胡麻はお好みで加減して良いと思いますが、結構多めに入れると胡麻の風味がより感じられます。また、擂り加減もお好みで調整してください。個人的にはしっとりと油分が出るくらいに擂るのがお勧めです。市販の擂り胡麻や、練り胡麻で代用しても美味しいと思います。調味されている練り胡麻の場合は、味が濃くならないように味噌の加減をしてください。

(rauya)


thumbnail pictures by abc7 /Shutterstock.com
7 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

疲れも吹き飛ぶ!昔ながらのスタミナ食 とろろ汁

 麦ごはんにとろろ汁、マグロのお刺身で山かけ、蕎麦やうどんにかけるなど、多くの料理に使われるとろろ汁は、おかず番付では秋の献立として紹介されています。

昔から親しまれていたタコを使った江戸時代のおかず

 江戸の人々の食生活の一端が垣間見える『日日徳用倹約料理角力競』と言うおかず番付から、秋のおかず、とくにタコを使ったおかずをご紹介します。

豆腐?玉子焼き??「もどき」のおかず、擬製豆腐

 おかず番付の秋の項に紹介されている「ぎせいどうふ」。擬製豆腐と書きますが「擬製」とは本物に真似て作ることです。では、擬製豆腐とはどんな料理なのでしょうか

夏のおかず、インゲンのごまびたしと鰯の摘み入れ

赤?白?インゲン豆の種類は豊富!夏野菜インゲンのごまびだしはサッパリとコクのあるお浸しです。ジメっとしたこの季節に栄養満点のおかずはいかがですか?

塩茹でだけじゃないそら豆、天麩羅だけじゃない芝エビ

エジプトで4000年前から栽培されていた空豆のおかず、今では希少価値な芝エビのおかず。塩茹で天ぷら以外の美味しい食べ方をご紹介します!

キーワード

ライター

ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部