2016年9月18日 更新

そろそろワインをはじめてみませんか? vol.24

皆さん、楽しいお酒との時間を過ごされていますか? ワインを飲むことが出来る飲食店は増え続けていますが、皆さんはどんなワインを楽しまれているのでしょうか? 今日はブランデーのお話をしたいと思います。レストランでちょっと格好良く、食後にブランデーを飲めたら素敵だと思いませんか? デザートでオーダーするほど甘いものが お好きでない方の為に、デザートとチーズのどちらかを選べるレストランは多くあります。 チーズと甘いワイン(貴腐ワインやポートワインなど)もいいですが、甘いものがとにかく苦手な方にはブランデーがお薦めです♪

ブランデーの製造方法

ブランデーは果実を原料に造られます。

代表的なブランデーには葡萄から造られるグレープ・ブランデー、りんごから造られるアップル・ブランデーがあります。ブランデーの種類や生産地によって若干の製造方法の違いがありますが、基本的な製造の流れは同じです。

グレープ・ブランデーで有名なものは、フランス西部のコニャック地方で造られるコニャック(Cognac)。そしてもうひとつ、フランス南西部のアルマニャック地方で造られるアルマニャック(Armagnac)です。
二つの大きな違いは蒸留方法です。
では、ブランデーの製造方法を簡単にご説明します!!
●白ワインを造る

ブランデーは醸造酒を蒸留して造ります。
グレープ・ブランデーは、まず白ワイン造りから始まります。

ワインのように自然発酵させたものから造られるブランデーは上質なものとなりますが、葡萄果汁にイースト菌を加えて発酵させたものから造る場合もあります。
発酵に掛ける時間などメーカーにより異なり、高級なものほど手間が掛かっています。

●アルコールを抽出する為に蒸留する

醸造酒を蒸留器(単式蒸留器、連続式蒸留器があります)で加熱します。
エタノールは水より沸点が低い為、水より盛んに気化されていきます。この蒸気を集めて冷却し液体に戻します。
元の醸造酒よりもエタノールが濃縮され、アルコール度数の高い状態となります。

※フランス西部のコニャック地方で造られるブランデー「コニャック」は単式蒸留機で二回蒸留します。
フランス南西部アルマニャック地方で造られるブランデー「アルマニャック」は半連続式蒸留機で1回蒸留します。
Cognac by Pug Girl (22180)

via Cognac by Pug Girl
コニャックの単式蒸留機でシャラント式蒸留機と呼ばれます。

蒸留のもととなる白ワインは、酸味が強く、アルコール度数(8%程度)の低いワインです。
単式蒸留機を使用するコニャックの蒸留には、必ず2段階の蒸留を行います。1度だけでは不純物を取り除ききることができないからです。
Still house tall by yvescosentino (22182)

via Still house tall by yvescosentino
同じ単式蒸留機でも、こちらはウイスキーの単式蒸留機でノーマルネック型。
蒸留釜の部分の形状の違いで、ノーマル、ランタン、バルジ型があります。
単式蒸留機といっても造られるものによって違いがありますし、ウイスキーの場合はこの蒸留釜の違いが香味の違いとなって現れます。
Still Design Patent, 1808 by The U.S. National Archives (22184)

via Still Design Patent, 1808 by The U.S. National Archives
こちらはアルマニャックの半連続蒸留機。アルマニャックスチルと呼ばれます。
アルマニャックは半連続式蒸留機を使って1回だけ蒸留します。コニャックと比べて野性的で香りも複雑になります。


●樽熟成

蒸留されたブランデーは樽に入れて長期間の熟成に入ります。
樽熟成では、樽の木材成分の溶出からタンニンや芳香成化合物の抽出、香気成分の生成など行われます。
熟成中に70%あったアルコール度数は40%へと変化し、色は琥珀色へと移り変わっていきます。

※アルコール度数が40%以上での販売が義務付けられています。

樽熟成の際に、年間2~4%のブランデー(ウイスキーの場合も同じです)が揮散され失われます。
これを「天使の分け前(エンジェルズ・シェア)」と呼んでいます。
天使にブランデーの一部を献上することで、ブランデーはますます美味しくなっていくというわけです♪
この詩的な表現が、私はとても好きです。


●調合(ブレンド)
熟成されたブランデーは調合(ブレンド)された後に瓶詰されます。
ヴィンテージ・ブランデーもありますが、ほとんどのブランデーは単一の樽から瓶詰されることはありません。
熟成年数の違う樽から商品コンセプトに沿ってブレンドされます。
最低熟成年数を表すVSOP、XPなどの記号表示がありますが、これは使用した原酒のうち一番短い熟成年数を表しています。

一般的には既定の最低熟成年数よりも古いものを使ってブレンドされ、最高級品では数十年寝かせたものをブレンドしています。

その他の覚えておきたいブランデー

●アップル・ブランデー

アップル・ブランデーはフルーツブランデーの代表格です。いくつかの種類がありそれぞれ特徴が異なります。
最も有名なアップル・ブランデーが「カルヴァドス(Calvados)」です。
芳醇な林檎の甘い香りがとても魅力的です♪
Calvados Berneroy by Fareham Wine (22188)

via Calvados Berneroy by Fareham Wine
カルヴァドスはフランスのノルマンディー地方の限られた地域でのみ作られるアップル・ブランデーです。
ノルマンディー地方はリンゴから造られる発泡酒「シードル(Cidre)」が有名ですが、試しに蒸留してみたら素晴らしいブランデーが出来てしまった!!というのがカルヴァドスの誕生秘話だといわれています。
Cidre by portmanteaus (22191)

via Cidre by portmanteaus
シードルはシードル・ボールと呼ばれる陶器の器で飲まれています。
このシードル・ボールで飲むのが、お洒落でとても素敵だと思われませんか?
私はシードルも大好きなので、ちょっと紹介しちゃいました♪


●マール(Marc)とグラッパ(Grappa)

「マール(Marc)」はフランス、「グラッパ(Grappa)」はイタリアワインでワインを造る際に使われた葡萄の搾り粕から造られ、「粕取りブランデー」といわれています。
葡萄の房や発酵終了後の醪(もろみ)を搾った後の果皮、種などを発酵、蒸留させて造られます。
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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部