2017年9月30日 更新

北海道でしか獲れない「昆布」は、なぜ日本を代表するうま味になったのか?

築地の老舗昆布商「吹田商店」に聞く

身が厚く、上品な味わいがあり、古くから献上昆布としても珍重されて来た「真昆布(山出し昆布)」は大阪の味を代表する高級昆布。味わいの濃いダシがとれ、富山では昆布締めなどにも使用される「羅臼昆布」、澄んだ香りの良いダシが取れ、椀もの、湯豆腐、千枚漬けなど京料理で使用される「利尻昆布」、ダシ昆布のみならず、昆布巻き、佃煮など惣菜用に適した関東以北で使用される「日高昆布」などなど、多種多様な種類がある。しかしこれらが並ぶ吹田商店では、銘柄で売ることはしていないという。

「煮物、お吸い物、おひたし。いろんな料理がある中で用途が変わってきます。初めて来たお客さんには味の好みや用途などを聞いてから、おすすめするようにしています」

世界的に注目される和食とともに昆布も一種ブームの様相を呈している。ただ、昆布が、特別扱いされることには少し違和感があると語る。

「和食の原点は精進料理で、12世紀に仏教の布教と一緒にそれが広まっていく。仏教の教えには『あるものを大事にせよ』というのがあって、西洋料理のように素材を足し合わせるのではなく、素材そのものの最大限に美味しく食べる、というのが和食の原点なんです。昆布の役目というのは素材そのものものうまみを引き出すことにある。だから昆布は表に出なくていいんです」

以前、吹田商店に来店したフランス人シェフに昆布ダシを飲ませたところ「このスープのレシピは?」と聞かれ、「昆布を水に戻しただけ」と返すとびっくりしていたという。何時間も素材を足し合わせ煮込んで、丹念にアクをとってフォンを作ることに比べれば、確かに日本の昆布ほど手間のかからない食材はない。
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和食を裏方で支える「昆布」。日本人にとっては、何百年もの間でDNAに組み込まれているであろう、この深い「うま味」が、世界中に伝播していく日も、そう遠い話ではないかもしれない。
取材・文=大狼章弘
■吹田商店
東京都中央区築地4丁目11-1
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ビデリシャス編集部 ビデリシャス編集部