そもそも「鉄火」ってどういう意味?
真っ赤に焼いた鉄を「鉄火」というのはご存知だと思いますが、辞書を開くともう一つ意味が出てきます。「気性が激しくサッパリしている。気性が激しく荒々しい。威勢がいい。」など、人の性格や精神状態を表す意味もあったんです。
そんな「鉄火」という言葉が生まれたのは「賭博場」から。賭博場は通称「鉄火場」と言われていました。荒々しい気質の人に対して「鉄火肌」や「鉄火者」と呼んでいたと言われていたんですね。
特に女性に対して用いられることが多い言葉だったようで、威勢が良くて勇ましい女性に対して「鉄火な姐御(あねご)」と例えることがあったそうですよ。では、ごはんとマグロの組み合わせた鉄火巻きや鉄火丼へはどうやって変化していくのでしょうか。
そんな「鉄火」という言葉が生まれたのは「賭博場」から。賭博場は通称「鉄火場」と言われていました。荒々しい気質の人に対して「鉄火肌」や「鉄火者」と呼んでいたと言われていたんですね。
特に女性に対して用いられることが多い言葉だったようで、威勢が良くて勇ましい女性に対して「鉄火な姐御(あねご)」と例えることがあったそうですよ。では、ごはんとマグロの組み合わせた鉄火巻きや鉄火丼へはどうやって変化していくのでしょうか。
もともとは「鉄火味噌」がはじまりだった?
「鉄火」をいう名前を料理に用いたのは「鉄火味噌(てっかみそ)」がはじまりのようです。江戸時代後期に書かれた小説に「鉄火味噌」の記述があります。鉄火味噌はいわゆる豆味噌の料理で、色が赤くて辛みがあったことから「鉄火」と呼ばれていました。江戸時代に存在していたという「鉄火鮓(てっかずし)」は、煮て細かくしたシバエビを、鮓(今で言う「馴れ寿司」)の上に乗せた料理を指していました。
鉄火は賭博を意味していたので、「賭博=身を崩す」というのが由来だったようなので、この場合はエビを指して鉄火としていているようです。江戸時代では文献上でもまだマグロとご飯を合わせたものに対して鉄火という言葉を使っていた記述はありません。
鉄火は賭博を意味していたので、「賭博=身を崩す」というのが由来だったようなので、この場合はエビを指して鉄火としていているようです。江戸時代では文献上でもまだマグロとご飯を合わせたものに対して鉄火という言葉を使っていた記述はありません。
「鉄火巻き」は明治以降から出てきた料理
今のように、ごはんとマグロを合わせた巻きずしを「鉄火巻き」とする名前が出てくるのは明治以降のことで、「鉄火丼」が登場するのは大正以後といわれています。ごはんとマグロを合わせたものがなぜ鉄火と呼ばれるようになったのか、諸説ある由来の一つに「鉄火場で食べる食事で、手が汚れない食べ物として生まれたのが鉄火巻き」というものがあります。サンドイッチが生まれた理由と似た説ですね。
しかし、元々「鉄火」という名の食べ物は赤くて辛いもののことだったので、わさびの効いた辛くて赤い食べ物ということで「鉄火巻き」となったという説もあります。江戸時代ではまだまだ海苔は高級品だったので、恵方巻きなどの祭事に食べられているだけでなく、賭博場などで日常的に海苔を食べていたということになると、その点については疑問が残ります。しかし、どちらも「有力」と言われている説なので、真偽のほどは定かではありません。
しかし、元々「鉄火」という名の食べ物は赤くて辛いもののことだったので、わさびの効いた辛くて赤い食べ物ということで「鉄火巻き」となったという説もあります。江戸時代ではまだまだ海苔は高級品だったので、恵方巻きなどの祭事に食べられているだけでなく、賭博場などで日常的に海苔を食べていたということになると、その点については疑問が残ります。しかし、どちらも「有力」と言われている説なので、真偽のほどは定かではありません。
細巻きの寿司は形が鉄砲の形に似ていることから、総じて「鉄砲巻き」と呼ばれることもあります。江戸時代に花開いた食文化の多様さと言葉遊びが好きだった江戸っ子に惑わされてしまいますね。あなたはどちらの説がお好きですか?
thumbnail picture by Ostancov Vladislav/Shutterstock
thumbnail picture by Ostancov Vladislav/Shutterstock
10 件