デニーズの強みといえば「デザート」メニューの充実ぶり、という印象を持つ人も多いのではないか? というのも、いまでこそ当たり前になったティラミス、ナタデココ、パンナコッタという大ヒットスイーツを世に知らしめたのが何を隠そうデニーズだったのだ。
デニーズが北イタリア生まれのチーズケーキ「ティラミス」をデザートメニューに加えたのは1986年。バブル真っ盛りの時代で、外食業界はイタ飯ブームに沸いていた。
初代ティラミスは当時の開発担当が航空会社のキャビンアテンダントさんから「イタリアで流行っている」と聞き、導入したという。スポンジケーキをアイスコーヒーに浸してバニラアイス、カスタードソースを合わせ、オレンジリキュールで風味をつけたもの。その後流行となる形とはずいぶんイメージが違う。
デニーズが北イタリア生まれのチーズケーキ「ティラミス」をデザートメニューに加えたのは1986年。バブル真っ盛りの時代で、外食業界はイタ飯ブームに沸いていた。
初代ティラミスは当時の開発担当が航空会社のキャビンアテンダントさんから「イタリアで流行っている」と聞き、導入したという。スポンジケーキをアイスコーヒーに浸してバニラアイス、カスタードソースを合わせ、オレンジリキュールで風味をつけたもの。その後流行となる形とはずいぶんイメージが違う。
さらに1990年には、マスカルポーネチーズとエスプレッソをしみ込ませたスポンジケーキを交互に重ね、上からココアパウダーをかけたものに進化した。この年に雑誌『Hanako』で紹介されると、爆発的な勢いで売れ始める。
「一方で、1992年に販売したナタデココは女子高生たちの口コミをきっかけに人気となりました」(セブン&アイ・フードシステムズ販売促進部・諏訪美紀子さん、以下同)
ナタデココは仕入れの担当者がフィリピン旅行の際にたまたま見かけて、「イカみたいな食感で面白いじゃないか」と持ち込んだもの。人気のピーク時は1店舗で1日150食ほど注文があり、売り切れ続出状態だったという。
つるんとした口当たりが特徴のパンナコッタは1993年にメニュー入り。この大ヒットで「デニーズといえばデザート」というイメージが定着することになる。
つるんとした口当たりが特徴のパンナコッタは1993年にメニュー入り。この大ヒットで「デニーズといえばデザート」というイメージが定着することになる。
「魅力的な食材や食べ方をご提案することで一人でも多くの方にデザートの魅力を知っていただきたいという思いから、常に新しいメニューに挑戦する姿勢につながっているんだと思います」
フルーツはもっとも美味しい状態で提供される
フルーツについても攻めの姿勢は崩さない。その根底には旬のフルーツで季節感を演出するという目論見がある。
1983年には当時の日本では珍しかったパパイアをハワイから空輸で運び、メニューに取り入れた。
1983年には当時の日本では珍しかったパパイアをハワイから空輸で運び、メニューに取り入れた。
また、1987年から取り扱いを始めたマンゴーは今でもデニーズの季節限定の人気メニューだ。当時、フルーツの輸入会社が「マンゴーが日本で広まったのはデニーズさんのおかげ」とお礼を述べたという逸話もある。
「熟度管理の難しさ、運搬での痛み、天候不順による生育コントロール、数量の確保などがあり、もっともおいしい状態の生フルーツをチェーン全店舗で提供するのは難しいんです。これを実現したのはファミレスチェーンとしてはデニーズが初だと思います」
「熟度管理の難しさ、運搬での痛み、天候不順による生育コントロール、数量の確保などがあり、もっともおいしい状態の生フルーツをチェーン全店舗で提供するのは難しいんです。これを実現したのはファミレスチェーンとしてはデニーズが初だと思います」
当時、南国のフルーツは千疋屋などの専門店でしか食べられなかった。それをデニーズではいち早く導入している。また、取引先の協力を仰いで熟度調整をしてから提供するというこだわりも見せた。
「生のフルーツをもっともおいしい状態で提供するというのは難しいんです。かつ、チェーン全店舗で行うのが難しいんです。これを実現したのはファミレスチェーンとしてはデニーズが初だと思います」
ちなみに、生のフルーツで一番苦労したのは桃だという。桃は実が柔らかいため、輸送中に傷がつきやすい。試行錯誤の末に、柔らかい素材で専用の運搬容器を作った。
「生のフルーツをもっともおいしい状態で提供するというのは難しいんです。かつ、チェーン全店舗で行うのが難しいんです。これを実現したのはファミレスチェーンとしてはデニーズが初だと思います」
ちなみに、生のフルーツで一番苦労したのは桃だという。桃は実が柔らかいため、輸送中に傷がつきやすい。試行錯誤の末に、柔らかい素材で専用の運搬容器を作った。